モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/08/03(水) 22:39:48.84 ID:vTRpaymho
『あの日』以降、各地で行われていた宗教戦争でさえ、ろうそくの残り火が如く燃え上がったのちに大半が消滅した。
人々は目に見える『信仰』を拠り所とし、旧体制の信仰受容体は消滅の一途をたどっていたのである。
「代わりに台頭したのは、神秘をビジネスと割り切り、迷うことなく利用しようとした連中。
変革に人々が混乱する中、商機を見出し、『未知』に付加価値を与えることによってこの世界を平定した。
『ヒーロー』、『財閥』、『サイバーカンパニー』、数を上げれば切りが無い。
まさしく彼らこそ世の勝ち組だ。時代を見極め、需要と供給を判断し、適切に取り扱った。
対して、我々は時代に取り残された負け組か?形態を変えず、秘匿さえ意味を持たない神秘を未だ隠し通そうとしている。
歴史の陰に隠れ世界の意図を引いていた我々は、このまま歴史の陰に消えていくのか?」
男は大仰に両手を振り上げ、カメラの先の者たちに問うた。
その先にいる者たちは、確かに歴史を見誤り、時代遅れと評される組織に身を置く敗北者たちの集団だと傍からは見えるかもしれない。
だが彼らは間違いなく力を持っていた。その身に魔道の叡智を。科学の真髄を。組織の実権を。そして、闘争の火種を。
各々が力を持ちその力は表に発揮されていないだけで、それらは凡百の成功者たちをはるかに凌駕する規模だ。
「我々の目的は財の蒐集か?神秘の独占か?それとも……世界の支配か?」
振り上げた手は、握りつぶすように虚空を掴む。
イルミナティにとって掴むべきはそんな程度のところではない。
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