モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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114: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 20:45:34.57 ID:glNSs2qCo

 中途半端に世界を知っているアーニャにとって、存在理由は重要であった。
 役に立たない者は切り捨てられて、残らない世界で生きてきたアーニャにとって、そこに居られる理由は必要だったのだ。

「だけど……それで悲しむ誰かがいるのなら、ヒーローは、廃業ですね」

 これはアーニャがここに来る前から決めていたことであった。
 他の自分であっても、自分に嘘をつき続けるというのなら、これ以上は続けられないだろう。

「それに……もう存在する理由に、固執する必要はないですから。

みんなは、私に存在理由を求めているのではなくて……私が居ていいと、教えてくれましたから」

 素霊を通じて聞こえた、皆の声。
 その声は決してアーニャを疎んだりするものではなく、そこに居ていいと許容してくれるものだったから。

「アナタは……それでいいのかも、しれません。

ならば……アナタは、あの人たちに甘えて、それきりで過ごしていくというの?

恩も返さず、ただ甘えるように、返しきれないほどの恩があるあの人たちに、何も返さずに過ごすのですか?

そしてもし、あの人たちが何かを求めた時にアナタは何を、『戦い』意外の何を返せるというの?」

 『アナスタシア』は目の前のアーニャに意地の悪い質問をする。
 だがこれは決して悪意から来るものではない。
 無償の善意に対して、貴方は何を返せるのかと、そう問うているのだ。
 そしてそれはヒーローを、事実上『戦い』を捨てる選択をしたアーニャにそれ以外の何ができるのかを聞いているのだ。



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