モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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112: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 20:44:15.62 ID:glNSs2qCo

 たとえそれが悪魔との取引よりもたちの悪いものであったとしてもだ。

「ワタシは……『ウロボロス』のことは知っていたのよ。

『ウロボロス』は願いをくみ取る。だけどそれを叶えない。

『願い』は円環を運営させるための、駆動装置だっていうのは、ワタシも理解していたの……。

だけどワタシは『蛇』に願った。

この地獄を変えられるのなら、あの幸せな過去を取り戻せるのなら、世界そのものに巻き付く『蛇』さえも出し抜いて、『願い』を掴み取ってやるって思ったんだけど……。

結局、正攻法に頼らなかった者の末路はこんなものね……。

ままならない、なぁ……」

 胸に深々と突き刺さったナイフからは出血はない。
 『アナスタシア』は自身に馬乗りでナイフを突き立てているアーニャの目をじっと見据える。

 その目に映る少女の姿は、決して戦闘を経験してきた戦士の様ではなく、年相応の少女のように儚く細い。
 この樹海に似つかわしくないような煌びやかなドレスを身に纏った少女の姿は先ほどまで直視できないほど眩しかったはずなのに、今の『アナスタシア』にはまっすぐ見据えることができた。

「アナタは、どうなの?『私』。

アナタの『願い』は、ワタシが世界を犠牲にしてまで手に入れようとしたものと……つり合うのかしら?」

 問われたアーニャは、ナイフを握る手を少し緩めて、向かい合う様に『アナスタシア』の瞳を覗き込む。
 蛇の文様が刻まれた赤い瞳。前にそれを見た時には蛇に睨まれた様に身動きが取れなかったが、今回はその限りではなかった。



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