モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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111: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 20:43:36.65 ID:glNSs2qCo



 周囲には、多くの結晶杭が刺さっていた。
 しかしそれらは空に溶けていくように、元の素霊へと徐々に還っていく。

「ワタシは……少しだけ残っているの。

パパとママとの思い出が。

それはワタシの地獄の中で、唯一心の拠り所だった」

 それは赤子くらいの頃の、対外の人ならばすぐに忘れてしまうような時期の記憶。
 『アナスタシア』もその例にもれず、自らが赤子であった頃のことなどほとんど覚えていなかった。

 それでも、忘れるわけにはいかなかったのだ。
 たった少し、ほんの少しだけだけれど、幸せだったあの頃のことを『アナスタシア』は決して忘れることはできなかった。

「ママの顔と、パパの顔を覚えてる。

他にも、いろんな人がワタシに笑いかけてくれた。

だからワタシも、自然と笑っていた気がするの。みんな笑っていて、誰もが幸福だったあの思い出。

遠い日の、思い出」

 だから、取り戻したかった。
 この世が自身にとっての地獄でしかないのなら、過去の幸福にすがるしかなかったのだ。
 そのために、今を消却しようとそれで幸福が手に入るのならば、手に入る可能性が少しでもあるのなら、それを選択せずにはいられなかったのだ。



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