504: ◆yZNKissmP6NG[saga]
2016/12/20(火) 01:41:55.34 ID:YNfrPH5eo
絵里「――そこまで言われたら、断りづらいじゃない」
凛「それじゃあ!」
ぱっと顔を輝かせて、凛ちゃんが頭を上げます。
私も、その言葉から良い返事を期待しました。
だけど。
絵里「でも……駄目よ。条件は条件」
花陽「え……」
凛「そんな……」
希「ちょっと絵里ち」
それまで黙って成り行きを見ていた希先輩が口を開きます。
希「そこまで頑固なる必要あるん? 絵里ちとしても願ってもない申し出やん」
絵里「それとこれとは話が別だわ」
絵里「ここでその話を飲んでしまったら、筋が通らないじゃない」
絵里「それこそあそこまで仕上げてきた彼女たちを侮辱する行為だわ」
絵里「私があなたたちの……矢澤さんのお願いをきくことは、できないわ」
思ったよりも、絵里先輩は頑なな人でした。
せっかく、せっかく真剣にアイドルに向き合える仲間が増えると思ったのに――
絵里「だから、ね」
花陽「え?」
自分でも気づかぬ間にうつむかせていた顔を上げると。
そこには、ほんのちょっぴり照れた顔の絵里先輩いました。
絵里「だから――こうさせてもらうわ」
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