172: ◆yZNKissmP6NG[saga]
2016/05/08(日) 22:18:21.62 ID:DkMgFNURo
にこ「昨日ーに手ーをふーって ほらー 前向いてー」
ごきげんになりながら一番を歌い終える。
メロディの余韻は、誰もいない廊下にじんわりと染み込んでいった。
にこ「ふぅ……」
喉の痛さも、少し弾んだ動悸も、なぜだか心地いい。
やり遂げたというか、やりつくしたというか。
まだ淡い達成感が、だけど、たしかに胸の中にあった。
にこ「あと六人」
思わずこぼれたひとりごと。
それは、遠いようで、でもきっと手が届かない場所じゃないと、思った。
さ、今日はもう帰りましょう。
気づけば止まっていた足を動かして、そして――
真姫「ちょっとあなた!」
にこ「ひゃうっ!?」
歩みはすぐに止められた。
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