86: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/05/27(金) 22:58:50.44 ID:aj4xDXo6o
心なしか、歯噛みしているように聞こえた。
こう答えざるを得ないことが悔しくてしょうがない、とでもいうようだ。
ぐるりと首を回す、やはり顔色の悪いダゲキがいた。
こちらを見ている彼と目が合う。
ジュプトル「おまえは?」
ダゲキ「しってる……けど、わからない」
ジュプトル「なんだそれ」
ダゲキ「ニンゲン は、いうよ」
ジュプトル「そうなの?」
ダゲキは返事せず、そのかわりに傍らを遠慮がちに見上げた。
ヨノワールに同意を求めているらしい。
ダゲキの視線を受けて、ヨノワールはかすかに頷いた。
ヨノワール「でも、わたし も、いみ わからないです」
ジュプトル「……そうなんだ」
ジュプトル「おまえも、しらないの?」
ミュウツー『知らないものは知らない』
ミュウツー『そんなに知りたければ、自分でニンゲンに聞け』
ジュプトル「い、いじわる」
毒突きながら視線を戻す。
けぶる緑がゆっくりと揺れている。
アデクと名乗った男は、その向こうに消えていったのだ。
ジュプトル(?)
何匹かのクルマユがくさむらの間から顔を見せる。
男のいた方角を眺め、周囲をきょろきょろと見回し、そして消えた。
彼らなりに、侵入者を警戒していた、ということなのだろうか。
469Res/395.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20