85: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/05/27(金) 22:55:22.67 ID:aj4xDXo6o
アデク「君たちの未来に、幸多からんことを!」
ジュプトルは意識を引き戻された。
男が、まるで怒鳴るようにそう叫んだからだ。
その言葉を最後に、豪快な男はこちらに背を向けた。
返事など待ってもいない。
堂々とした足取りで、大股にどんどん木々に紛れていく。
男の姿は、あっという間に消えてしまった。
ふう、と誰かが息を吐いた音が聞こえた。
つられてジュプトルも肩の力を抜く。
ミュウツー『やっと出て行ったな』
空気を震わせているわけではないのに、頭に響くその声には疲れが滲んでいた。
ああ見えて、緊張していたのは自分だけではないらしい。
ジュプトルは地面に滑り下りた。
友人たちは、まだ人間が去って行った方を見ている。
ジュプトル「なあ」
ミュウツー『なんだ』
ジュプトル「ミライ、って、なんだよ」
見上げた先のミュウツーは、目を見開いた。
首と首のうしろにある管を捻り、こちらを見下ろしている。
よく知らなければ、睨まれているとしか思えない。
ミュウツー『……私には』
眉間に濃い皺が刻まれる。
ミュウツー『よく、わからないのだ、それが』
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