84: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/05/27(金) 22:54:04.32 ID:aj4xDXo6o
ジュプトル(きのうの ポケモンの、せいか……)
正確には、昨夜あのチョロネコを目にしたあとからだ。
思い返してみると、実際そうかもしれないと思う。
紫色で、ぼさぼさに毛羽立っていてもなお、しなやかな印象を受けたポケモン。
自分と大差ない状態で森にやって来たあのポケモン。
考えるほど、あのチョロネコが関係あるに違いない気がしてきた。
あのポケモンが姿を見せてから、彼はいつにも増しておかしくなったのだ。
あんな奴が、なんだというのだろう。
昨夜のことを思い出す。
ダゲキは現れたチョロネコをじっと見ていた。
ジュプトルを膝に抱えたまま。
おかしかったのは、その様子だ。
目を見開き、ぎりぎりと硬直している。
喘ぐような擦れた音を喉から響かせ、苦しそうに呼吸している。
驚きのあまり、というように見える。
何かショックを受けているようにも見えた。
チョロネコの方も少し困惑していたようだ。
それはそうだろう、とジュプトルも思う。
とてもいやな感じがしていた。
「どうしたの?」と、チョロネコの横に立つイーブイが声をあげる。
ダゲキははっとしたような顔で、イーブイを見た。
それきり、ダゲキはチョロネコの方をあまり見なくなった。
ちらちらと視線を送ることはあっても、逃げるように目を逸らす。
ジュプトルが声をかけても生返事ばかりで、耳には入っていなかったようだ。
それきり。
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