66: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/04/17(日) 00:48:12.59 ID:WHcPEpPlo
ジュプトル「おこってない」
ジュプトル「けんか じゃないし」
ダゲキ「……もう」
呆れたような溜息が聞こえた。
だがそれ以上、ダゲキは何も追求してこなかった。
ダゲキ「すてられた こは、げんき?」
イーブイ「うん!」
イーブイ「でも、おなか すいてる……とおもう」
イーブイはもたもたと喋りながら振り返り、背後の誰かを示した。
イーブイ「ね!」
ふたりも、動きにつられて奥に目を向ける。
視線が集まったからか、その誰かが一瞬ひるんだような気配が見えた。
警戒しているらしく、よく聞くと低く唸る声もする。
イーブイ「だいじょぶ だよー」
イーブイ「おいで!」
イーブイが更に声をかけると、唸り声はぴたりと止んだ。
かさかさと草を踏む音がする。
足音が近づくにつれ、少しずつ暗い紫色の体毛が見え始めた。
くねくね動く長い尾に、ときおり光が当たって見え隠れする。
みゃあ、と一声鳴いて、そのポケモンがゆっくり進み出た。
姿を見せたのは、艶のない、荒れた毛並みのチョロネコだった。
現れた顔も続く四肢も、とにかく薄汚れている。
特定の何かで汚れているわけではなく、垢と土埃、堆積した疲弊そのものだ。
誰かの呻く声がした。
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