65: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/04/17(日) 00:45:36.66 ID:WHcPEpPlo
ダゲキ「か……かべ?」
イーブイ「しろいの。おそと みえるの ところ!」
ジュプトル「『さく』じゃない?」
ダゲキ「ああ……」
イーブイ「うーんと、うんと ね……ううーん」
イーブイ「き ひっかいたの」
ジュプトル「……わかんない」
イーブイ「もう! いじわるだ!」
イーブイ「もりの はじっこなの! はじっこ、いったの!」
ダゲキ「そんなところ まで、いったんだ」
イーブイ「だ、だって……」
見上げるとダゲキは、渋い顔をしている。
無理もない、とジュプトルは溜息をついた。
『森の端』に行けば、人間の街はそれだけ近くなる。
外から森に来て居着いた連中には、あまり近づかないよう言い含めていたはずだった。
特に、チュリネやイーブイには、ジュプトルも繰り返し言った記憶がある。
ジュプトル「まちに ちかすぎ」
ジュプトル「また ニンゲン、つかまるぞ」
イーブイ「だって、こえ きこえたもん! いじわる!」
ジュプトル「おれとか、いえ って、いっただろ」
ダゲキ「……ふたりとも おこらないでよ」
ふん、と鼻を鳴らして、また膝の上に顎を載せる。
ジュプトルは怒っているわけではない。
気に入らないだけだ。
叱られたと受け取ったらしく、イーブイは両耳を水平に倒している。
不服そうだが、近づくなと言われていたのは事実だから言い返せないようだ。
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