ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第三幕
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63: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/04/17(日) 00:40:59.94 ID:WHcPEpPlo

ジュプトルは“びくり”と首を跳ね上げて、声のした方に曲げた。

思いがけず近くから、それも突如として聞こえてきたように感じた。


????「ね、いたでしょ!」

????「ほらー、こっち!」


きっと、しばらく前から音はずっと聞こえていたのだ。

別のことにすっかり気を取られていただけで。


ダゲキ「どうしたの?」


自分の頭上を、やや甲高いダゲキの声が通り抜けていく。

頭の葉を逆に撫で上げられたような、ぞわぞわする感触が残った。


彼の視線の先には、大きな目をぱちぱちと瞬かせるイーブイが佇んでいた。

長い耳をせわしなく動かし、ふさふさした尾を振っている。


イーブイ「もう! どこ いたんだ!」

イーブイ「にーちゃん たち、いっぱい、さがしたの!」


そう喚きながら、あまり長くない前脚で地団駄を踏んでいる。

体重が軽いから大した音はしない。

腹を立てたときによく見せるしぐさだ。

だが、ジュプトルはそのかすかな音がやけに気に障った。


短い体毛が、もうはっきり茶色に見えている。

うっすらと青みがかっているが、もう茶色は茶色だ。

いつの間にか、周囲は意外なほど明るくなっていた。


ダゲキ「……? コマタナは?」

イーブイ「つかれて ねた」

ジュプトル「おれも ねたかったよお」


ジュプトルは息を吐いて、空を見上げた。

気に入らない。




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