459: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/12/09(土) 22:52:23.07 ID:PVvYiWSbo
耳を塞ぎ頭を振るアロエをちらりと見てから、アデクは胸を張る。
アデク「ま、これ以上、評価を落とさんよう気をつけないといかんな」
アロエ「そ……そうね……」
アロエ「あっ、ねえ、まさかと思うけど、あの子のこと、報告書とか日誌に書いたりしてないよね?」
はっとした顔でアロエが尋ねてきた。
レンジャー「い、いいえ」
レンジャー「なんでか自分でもよくわからないですが、あまりそういう気になれなくて」
レンジャー「他の外来の連中は、トラブルがあったときに問題になるんで、かなり控えめとはいえ書いてるんですけど」
アロエは露骨に安堵した表情を見せる。
その気持ちはレンジャーにも想像できた。
彼女は眉間を揉んで、また溜息をつく。
アデク「今日の館長殿は溜息が多いな」
アロエ「うるさいうるさい。考えることが多いの」
アデク「だが、運がよかった」
アデク「記録に残していないことは、おおやけには存在しないと同義だ」
アデク「それに、一度でも記録に残してしまえば、あとから隠すのは難しいからなあ」
アデク「あまりいい手ではないが、今のところ、これ以上話が広がらないようにするしかない」
アデク「な?」
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