458: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/12/09(土) 22:50:41.58 ID:PVvYiWSbo
レンジャーはぎくりと身をこわばらせた。
慎重に言葉を選ぶ。
話さなくてはならないことなのだから仕方ないのだが、聞かれると動揺する。
あの不思議なポケモンについてではないにしても、彼らについて必要以上に言い触らしたくはなかった。
レンジャー「……『窓口』になっている個体がいるんです」
レンジャー「人間との接触を嫌がる個体が多いのは容易に予想がつくので」
レンジャー「そいつが私のところに来る……ようにしているみたいです」
レンジャー「そいつも元々は人間が所有していたことがわかっている個体なので……」
レンジャー「こちらの話は理解していて、おおむね意思疎通ができています」
レンジャー「そのとき、遠くからこちらを窺ってるところを見かけたのが最初です」
レンジャー「私が信用に値する人間なのか、見定めに来た、っていう印象でした」
レンジャー「けど、それ以上は近づいてこないんです。やっぱり……」
アデク「……だったら、やはりあいつはお前さんのことをある程度、認めてると思っていいはずだ」
レンジャーは顔を上げた。
アデクは笑って腕を組んでいる。
レンジャー「それは……」
アデク「さっき、カントーのハゲ頭も言っていたじゃないか」
レンジャー「ハゲ頭……」
アデク「あいつは他人の記憶を弄れるって」
アデク「わしらも含めて、たとえば誰彼構わず喋りそうだとか、都合の悪いことをしそうだとか」
アデク「あいつがそう思ったら、そうすればいいわけだ」
アデク「だが、あいつはそうしなかった」
レンジャー「あ……」
アロエ「あー、あーもー、耳が痛い」
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