460: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/12/09(土) 22:54:23.93 ID:PVvYiWSbo
お手上げだ、とでもいうようにアデクは両手を広げた。
そしてレンジャーに同意を求めた。
それはつまり、彼らに――お前に――できることはないと言われたも同然だった。
アデク「あいつが、存在を広められることを望むとは思えんしな」
アデク「現状、潜伏場所の周囲で三人もの人間に存在を認知させてしまっている」
アデク「そして、それもさっき四人になってしまった」
アデク「これ以上、話が広がるのも本意ではないはずだ」
アデク「何かあれば、あいつが方針転換する可能性も十分にあるわけだしな」
アデク「まあ……わしらは突発的だが、お前さんの場合だけは向こうからの働きかけだから」
アデク「少しケースが違う、と言えんこともないが」
レンジャー「……わかりました」
レンジャー「私も、こういう形であいつのことを調べるのはやめます」
アデク「それがいいな」
アデク「カツラの話の通りなら、図鑑をいくら調べても出てくるまいよ」
レンジャー「都市伝説本の方がまだ確率高そうです」
アデク「そうだな」
アデクが立ち上がった。
レンジャーに歩み寄り、大きな手で肩をぽんと叩く。
アデク「誰かのためを思って何かするのは、難しいな」
それを待ち構えていたかのように、アロエが端末の画面に目をやる。
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