427: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/10/14(土) 21:35:24.41 ID:8AI6j1dyo
だが、知っている気がする。
見たことがあるように思う。
二足歩行で、太く長い尾。
レンジャーは青ざめた。
――ああこれは
なんの疑いもなく、言語化が追いつかないまま、そう確信できてしまったからだった。
おそるおそる見回すが、アロエもアデクも大差ない反応を示しているようだ。
アロエ「……これは?」
どうにか感情を抑えている、という声色でアロエが尋ねた。
一瞬の間。
そう尋ねられることがわかっていただろうに、カツラは少しだけ言葉に詰まった。
レンジャーには、少なくともそう見えた。
カツラ「……父親である我が友に残された、たったひとりの『子供』だ」
アロエ「なんの映像?」
カツラ「研究所の監視カメラだ」
カツラ「サルベージしたデータもほとんど使い物にならなくてな。修復できたのはわずかだった」
アデク「……なるほど父親ねえ」
アロエ「悪趣味な言い回し」
アロエは短く吐き捨てた。
それを一瞥したアデクは、わずかに口角を引きつらせるだけだった。
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