418: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/10/14(土) 21:03:59.45 ID:8AI6j1dyo
アデクがふたたびニヤニヤと笑った。
カツラも眉を跳ね上げ、狡猾そうな笑みを浮かべる。
カツラ「わしとて、腹の探り合いも嫌いではないが」
アデク「今は、あまりそういう気になれんな」
カツラ「いかにも」
アデク「仮にわしが何か知っていたとしても」
アデク「現状、明かすつもりはない」
肩を竦めながらアデクはそう答える。
カツラはそれを聞き、安心したような、がっかりしたような、不思議な顔をした。
カツラ「……そうか」
カツラ「それが賢明だろう」
アロエ「そういうあんたは色々と知ってる風だけど、それはどういうこと」
アロエが不快そうに割って入った。
そういえば、アロエは終始、カツラを敵対視している。
地域が違うとはいえ同業者ではあるはずだ。
アデク「そうだな」
アデク「お前さんこそ、『こいつ』とどういう関係なんだ」
カツラ「関係? ……関係か……説明は難しい」
アロエ「先に聞いとくけどさ、あんたは密猟者やハンターと関わりはないだろうね」
カツラ「そういう連中はどこにでもいる」
アロエ「もしあんたが『そういう連中』の仲間だってんなら、この話はここでおしまいにするってこと」
アデク「そうだな……申し訳ないが、場合によってはこのまま警備を呼ぶかもしれん」
カツラは小さく頷いた。
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