412: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/09/17(日) 01:10:12.17 ID:IYrmd6hRo
あのアロエが居心地悪そうにしている。
まるで父親に叱られる少女だ。
アロエは頭を掻き、覚悟したかのように息を吐いた。
アロエ「……まさか、あんたが見てたなんてねぇ」
アデク「そろそろ老眼でな、遠い方がよく見える」
アデク「まあそれは冗談で、たまたま横を通りすがってな」
アデク「声をかけてもよかったが、下手にやると注目を浴びちまう」
アデク「だから機を窺っていたところで、ああいうことになった」
アデク「……ま、あの場では、他にやりようもなかったよ」
アデク「ああしなければ、もっと人目に触れていたかもしれんからな」
アデク「そこまで悪手だったとは思わん」
アロエ「そういうことにしといて」
あるいは、まるで教師と気難しい年頃の女子生徒だ。
アデクは苦笑している。
そしてレンジャーに視線を戻した。
アデク「さて、お前さんの答えをまだ聞いてないが」
苦労して口を開く。
いつの間にか、口の中はからからに乾いていた。
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