41: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/03/21(月) 11:46:42.60 ID:d1B0J0ZHo
とんでもないことを言ってしまったような気がした。
ジュプトル「だ、だって……あのニンゲン……」
ジュプトル「あんまり、わるい やつじゃ なかった」
赤毛で豪快な男のことが脳裏に甦った。
彼は少しだけ目を細めた。
まだ地面に視線を移し、瞬きもしない。
自分の釈明が彼に届いたかどうか、確信は持てなかった。
ダゲキ「うん」
ダゲキ「さっきの ニンゲンも、ぼうしの ひとも」
ダゲキ「きっと、いいニンゲンだよ」
ジュプトル「……ごめん」
悪い想像もなかなか止まらない。
肯定的な答えが返ってきたらどうしよう、いやそんなことはないはずだ。
『実は』と、最悪の話を切り出されてしまったらどうしよう。
やっと心を許した相手が、また自分の前から消えてしまったら?
また、置いていかれてしまったら?
また、ひとりぼっちになったら。
ダゲキ「それは、わかってる」
ダゲキ「でも」
やけに長く思えた沈黙を経て、ダゲキはジュプトルに視線を戻した。
ダゲキ「ぼく、もう どこも いきたくない」
やけにはっきりと、彼はそう言った。
少し怒っているように聞こえなくもない。
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