40: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/03/21(月) 11:44:50.50 ID:d1B0J0ZHo
ぺたん、と地面に滑り落ち、ジュプトルは必死で呼吸を整えた。
月明かりを背後に受けて、ダゲキがこちらを覗き込んでいる。
早く落ち着かなければと思うほどに焦る。
ダゲキ「だいじょうぶ?」
ジュプトル「だ、だいじょぶ……だいじょぶ」
慌てて、両手で顔をごしごしとこする。
爪が鱗を傷つけて痛いが、今それは些細なことだ。
ジュプトル「な、なあ」
ダゲキ「?」
ジュプトル「い……いなく ならないよな」
ダゲキ「……ぼくが?」
ジュプトル「あの ぼうしのニンゲンの、ところとか」
ジュプトル「おまえも、ミュウツーも」
ダゲキは視線をそらして、地面に向けた。
それがどういう意味を含んでいるのか、ジュプトルにはわからない。
考え込んでいるように見えた。
どうして即答してくれないのか、と不安になる。
「そんなことは絶対にない」と切り捨ててはくれないのか。
ダゲキ「……ねえ」
ジュプトル「あと、ほかの ところ、とか」
ダゲキ「どうして、そんなこと いうの?」
喉の奥から絞り出したような声だ。
疑問というより、抗議されているような気がした。
ちりちりと居心地が悪くなっていく。
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