35: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/03/21(月) 11:40:43.07 ID:d1B0J0ZHo
ジュプトル「おきてる」
ジュプトル「ねむいのに、だめだ」
ダゲキ「おなじ」
溜め息まじりに、ダゲキがそう答えた。
今も表情は見えないが、なんとなく苦笑しているような気がする。
もちろん、彼が苦笑しているところなど見たことはない。
ジュプトル「……おまえ、いつも そうなの?」
ダゲキ「いつも、そう」
ダゲキは、いまだにジュプトルの方を見ようともしない。
木に背を預け、空を見上げてぼんやりしている。
ジュプトル「ふうん」
投げやりな返事をし、ジュプトルはふたたび顔を下ろした。
さきほどまでのように、両足を放り出しているダゲキの膝に顎を載せる。
頭の上の方がずっと居心地はよかった、と思わないでもない。
眠りに落ちそこねるたびに、空や友人を見上げてみる。
いくら見上げても、空はなかなか白んでこない。
いつ見上げても、友人は変わらず起きている。
眠るどころか、眠そうな気配さえない。
ジュプトル「……なんで、ニンゲンに つかまったの」
ずっと抱いていた疑問が口を突いて出た。
どうしても尋きたかった、というわけではない。
沈黙に耐えきれなかったからだけだ。
『おまえらしくもない』と言いたかったが、ジュプトルにはその語彙がない。
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