34: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/03/21(月) 11:40:05.14 ID:d1B0J0ZHo
何度も、うつらうつらと意識が途切れる。
とても疲れている。
それに、とてもとても眠い。
ミュウツーやヨノワールと別れたあと。
ジュプトルは無理を言い、ダゲキの寝床までついて来ていた。
にも関わらず、どうにも眠れずにいる。
せっかく『ひとりでは寝たくない』と駄々をこね、わがままを通したというのに。
ダゲキは、生木の匂いもなくなった倒木に寄りかかり、腰を下ろしている。
呼吸は静かだが、眠っているということはないとジュプトルも確信していた。
そんなダゲキの膝で何度、無理に目を閉じてみたかわからない。
そのたびに、瞼は言うことをきかず勝手に開いていく。
頭の中も目もぴりぴりして、寝てなどいられないと喚いている。
なのに、開けていると今度は眠くて目が痛い。
瞼は疲労と重さに負けて勝手に下りていく。
起きていることも、かといって眠ることもできない。
そんな孤独な闘いを続けて、ずいぶん時間がたった気がした。
ダゲキ「……ジュプトルは、おきてる?」
上の方から、少し高く、呑気な声が降ってきた。
彼なりに『声を潜めている』響きがある。
眠っていた場合を気にしてくれていたようだ。
顔を少しもたげ、ジュプトルは目玉をぐるりと動かして彼の方に向けた。
輪郭に月明かりが当たって、彼の顔が丸く縁取られている。
よく見れば、ダゲキは顔をまったく違う方に向けていた。
469Res/395.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20