300: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2018/04/09(月) 00:50:43.72 ID:pdxvH6grO
前回までの来訪を思い出す。
日誌にはもちろん書かないし書けないが、特筆すべき変化はあった。
レンジャー(今日はあいつがいなかったな)
レンジャー(……ああ、そうか、あいつか)
木の間からほんの少しだけ見えていた、あの姿を思い浮かべる。
鋭い木洩れ陽を受けて、白っぽい身体のごく一部がキラキラと光っていた。
全体像がしっかり見えたことはないし、無理に見てやろうという気もない。
『あいつ』自身が、あれでも身を隠そうとしていたからだ。
何かを羽織っていたような気がした。
コートや上着にしては生地の薄そうな、薄汚れた布地だったか。
レンジャー(ということは、やっぱり人間に捨てられたりしたんだろうな)
レンジャー(ああやって『上手くやれてる』ってことは)
レンジャー(気性が荒いとか、乱暴ってわけでもないんだろうけど)
レンジャー(ダゲキもあの白い奴のことは気に入ってるみたいだし)
脳裏に浮かぶ見知らぬポケモンは、頭からすっぽりローブを被っている。
その隙間から、こちらをじっと値踏みしている。
“この人間はどうだ”?
“信用するに足る人間なのか”?
“今度は”?
そんな想像をする。
期待には応えることができているのだろうか。
レンジャー(……)
レンジャー(でも、やっぱり見たことないポケモンだった)
自分とて全てのポケモンを知っているわけではない。
机に齧りついていたのも、かなり昔のことだ。
記憶も今は遠い。
とはいえ、一通りの種類は座学や研修で見てきたはずだ。
他の地方のものも、そう一般的でないものも含めて。
それでも、似通った特徴を持つ種類すら思い浮かばなかった、と思う。
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