269: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2017/12/15(金) 00:44:28.93 ID:cuM9FlSYO
ゲーチス「いずれにせよ、みごとな成果です」
ゲーチス「私は十分に満足していますよ」
アクロマ「ごく少量の遺伝情報の有無でここまで違いが出るとは」
ゲーチス「あなたがたプロジェクト参加者の手腕も、むろん評価されて然るべきです」
アクロマ「……ありがとうございます」
ゲーチス「とはいえここまで計画した通りになるとは、少々驚きなのですよ」
ゲーチス「そう簡単に逸脱させてはもらえないということなのでしょうね」
アクロマ「逸脱? あなたはなんの……」
ガタンと立ち上がり、アクロマはゲーチスを見つめた。
アクロマ「まさか、こうなることがわかっていたのですか?」
両手が所在なく空を掴み、椅子が惰性で静かに回っている。
アクロマは、苦しげに口を開いた。
アクロマ「これほどうまくいくことが、はじめからわかっていたと?」
こちらを見るアクロマの目は、不審と驚きで満ちている。
ゲーチスは彼から視線を逸らし、自分の右手を眺めた。
ゲーチス「それは買い被りすぎかもしれませんよ」
ゲーチス「わかっていた……というより、そういうものなのです」
ゲーチス「いずれ、あなたにお話しできる日も来るでしょう」
ゲーチス「その日もそう遠くないと『予想』しますよ」
アクロマ「……ますます、あなたの考えていることがわかりません」
ゲーチス「それでも問題はないのでしょう?」
アクロマ「ええ」
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