267: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2017/12/15(金) 00:38:23.61 ID:cuM9FlSYO
アクロマ「本実験開始から、途中での脱落個体はいません」
ゲーチス「ええ」
アクロマ「今回、あなたの提案で選ばれた実験体が採用されました」
アクロマ「残念ながら現在、あちらのプロジェクトは新規個体を発生させる予定でないらしく」
アクロマ「これら三体の実験体のみで新規に実験を開始しています」
ゲーチス「彼らは、あくまでオリジナルの復元を目的としています」
ゲーチス「それが安定すれば、大砲のひとつも背負わせたりするのでしょうが」
ゲーチス「現状、彼らのプロジェクトは彼らに任せておきましょう」
話しながら操作を続けているらしく、アクロマの言葉に連動してモニタの表示が変わった。
三本のシリンダーに、それぞれ小さな肉塊が浮いている。
アクロマ「発生当初の映像です」
アクロマ「ここから、資料と大きな違いなく発生、細胞分裂を繰り返し成長しました」
アクロマ「対照実験も同時並行しましたが、そちらはどれも発生せずじまいです」
アクロマ「条件の違いは例のDNA一点のみです」
ゲーチス「やはりそうですか」
アクロマ「現在では第一、第二、第三いずれの実験体も非常に安定しています」
アクロマ「物理的にも、情緒的にもです」
アクロマ「外見に奇異な共通点がありますが、解剖学上の問題はないとの報告を受けています」
アクロマ「成長もやや速い程度で想定の範囲内、問題ありません」
アクロマ「我々が与えたあらゆる外部刺激に対し、正常な反応を示しました」
アクロマ「予想より早い段階で、トレーナーと共にある程度の育成を経た個体と同等の理解を見せました」
アクロマ「通常の個体と同様、我々の指示を理解しています」
小さな操作音とともに、映像は数日前の実験風景に切り換わった。
水槽の中で巨躯を揺らす姿が浮かび上がる。
手前に立つ白衣の人間が何かを言う。
水槽に浮かぶ巨大な影は、白衣の人間が出す命令に従って身体の向きを変えている。
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