264: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2017/12/15(金) 00:27:45.97 ID:cuM9FlSYO
アクロマ「あなたの計画の趣旨に、微妙な変化が見られるように思います」
アクロマ「以前のあなたが説明してくれたものと、もちろん骨子は同じです」
アクロマ「ですが、違う」
ゲーチス「どんなふうに?」
アクロマ「そうですね……たとえるなら」
アクロマ「別の人間が、別の真意をもって、一見同じ計画を作ったとでもいうような」
ゲーチス「なるほど」
ゲーチス「たしかに、そうかもしれません」
ゲーチス「あなたの指摘は、ある面で本質を突いている」
そう言いながらゲーチスは、わざとらしいしぐさで肩を竦めた。
ゲーチス「もはや、違う人間が作った同一の計画なのですよ」
アクロマが理解できないという顔で眉を顰めた。
それも当然だ、とゲーチスはひとりで笑う。
ゲーチス「ですがあなたにとって、それがどうしたというのです」
ゲーチス「あなたの進める研究に、どんな支障が出ますか」
アクロマ「それは……」
ゲーチス「私は、あなたに興味深い研究の場を、今も変わらず提供しています」
ゲーチス「そしてあなたは、念願の研究に精を出すことができる」
ゲーチス「わたくしは、そのおかげで、わたくしの計画をより強固に達成することができる」
ゲーチス「なんら問題ないではありませんか」
彼がわかりやすく言葉に詰まっていた。
表情を見ずとも、アクロマが戸惑っているのは手に取るようにわかる。
両手を擦り合わせる音が聞こえている。
彼もまた、何かに苛立っているのだ。
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