243: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2017/09/12(火) 00:16:02.56 ID:LI7cZ/eGO
アロエ「遅くなっちゃってごめんねー」
アロエ「心配させちゃったかな」
アロエの朗らかに話す声が響き渡る。
ダゲキがそろそろとあたりを見回した。
遠慮がちにアロエを振り返り、居心地悪そうにしている。
アロエ「話はヨノワールくんから聞いてるね」
ミュウツー『ある程度は』
ミュウツーがそう答えると同時に、ヨノワールも慌てて頷く。
『自分はちゃんと伝えた』と人間に知ってほしかった。
彼女はヨノワールを見上げて笑顔を見せる。
アロエ「ちゃんと伝えてくれたんだね、ありがとう」
アロエ「ま、じゃあそういうことで」
彼女の声は、響きこそ穏やかだがよく通る。
言外に追及を拒み、有無を言わせない力があった。
アロエ「一応、もう大丈夫みたいだから」
アロエ「『みたい』っていうか、自分ではどうなんだい?」
アロエがダゲキの顔を強引に覗き込む。
気圧されたダゲキは黙って何度も頷いた。
彼は落ち着いている。
アロエは安堵したように肩で息をした。
アロエ「それならいいんだけど」
ミュウツー『呑気なものだ』
アロエ「許してやんな」
ミュウツー『怒っているわけではない』
アロエ「心配してたんだもんね」
ミュウツー『……』
アロエ「慣れないことするって、大変だからさ」
アロエ「それはキミも知ってるでしょ」
ミュウツー『……そうだな』
アロエ「でも、辛くなったらちゃんと言うんだよ」
もう一度ダゲキの顔を覗き込んで、アロエは笑った。
ダゲキは困ったような顔で小さくまた頷く。
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