ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第三幕
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242: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2017/09/12(火) 00:09:46.26 ID:LI7cZ/eGO

ヨノワール(……わたしは……)

ヨノワール(わたしは……“よかった” と、おもった?)


友人が無事に戻ったことが無性に喜ばしい。

そう感じる自分を、ヨノワール自身も意外に思った。


ヨノワール(ダゲキさんが、もどって うれしい?)

ヨノワール(みんなが、ぶじで うれしい?)


身体の真ん中あたりがきりきりと痛む。

意味もなく自分の手を見る。

自分が何に怯えているのか自分でもわからない。


ヨノワール(『うれしい』? ……うれしい……うれしい……)


この精神状態は、誰よりもヨノワール自身が願っていたはずだ。

ならば、なぜ戸惑わなければならないのだろう。


ジュプトルがぺたぺたと彼に歩み寄っていく。

しゅるしゅると喉を鳴らしてダゲキを見上げている。

ダゲキは口元を控えめに歪め、ジュプトルの頭を撫でた。


ヨノワールもふたりに近づく。

じっとしていることに耐えられなくなっていた。

自分だけが色合いの違う場所に取り残されている。


少し驚いたようにダゲキがヨノワールを見上げた。

だが、相対しても何をどう伝えたらいいのかわからない。


“もう大丈夫なのか”。

“自分が何か悪いことをしてしまったのか”。

“だとしたら申し訳なかった”。


きっと自分はそう言いたいはずだ。

だが意に反して、ヨノワールは無為に手を泳がせることしかできない。

そんな自分を見て、ダゲキは困ったように短い首を更に縮めた。


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