222: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2017/06/16(金) 23:26:38.21 ID:xCyGumQ8O
そう言いながらアロエは振り返った。
ダゲキが少し俯いている。
何気なく覗き込むと、アロエの顔に緊張が走った。
アロエ「……ダゲキくん?」
ダゲキは目を大きく開き、地面を固く見つめている。
呼吸は浅く、かけた声にも反応しない。
握った手には、少し力が入りすぎている。
アロエ「ヨノワールくん」
アロエ「悪いんだけど、先に戻っててちょうだい」
ヨノワールは一瞬、不思議そうな目をした。
だが、すぐに事態を察したのか、アロエの言葉に素直に従った。
懸命にドアを開けようとしているが、なかなか上手くいかない。
人間用のドアノブには手が大きすぎて開けにくいようだ。
ようやく扉を開けると、ヨノワールはアロエを振り返った。
アロエは無言で頷き、目で促す。
無理やり身体を押し込むようにして、ヨノワールは扉の向こうに消えた。
書斎に残してきた連中にも、これで状況は伝わるはずだ。
扉が閉じる音を確認してから、アロエは深呼吸する。
余韻は間もなく消え、あたりは静かになった。
アロエ「……さてと」
アロエ「びっくりしちゃったねえ」
驚かせないように、ゆっくり静かに話しかける。
まるで大きすぎる子供をあやしている気分だ。
この感覚は少し懐かしい。
握られたままの手は少し痛いが。
アロエはなるべくゆったりした動作で頭に触れた。
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