220: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2017/06/16(金) 23:23:10.81 ID:xCyGumQ8O
アロエ「わかったわかった」
アロエ「……そっか、みんな同じようにヤグルマの森にいても、事情はホントにいろいろなんだね」
アロエ「あの子もちょっとだけ話してくれたけど……」
アロエ「辛い思いは、それぞれにしてるってことか」
アロエ「あんまり詮索するのもどうかと思うし、必要がなければ根掘り葉掘り聞かないから」
そして、アロエは横で背伸びしているダゲキを見下ろした。
アロエ「もちろん、キミのこともだよ」
ダゲキはきょとんとしている。
まだパネルを読もうと苦戦していたようだ。
アロエ「……まあいいや。そろそろ戻ろうか」
アロエ「見回りはだいたい終わったし、あまり時間をかけると心配させちゃうからね」
巨大な両手を擦り合わせ、ヨノワールは頷いた。
ふわふわと漂い、先導するように意気揚々と先へ進む。
そのうち、展示室同士をつなぐ何もない通路にさしかかった。
アロエ「あれが入ってきた非常口だよ」
小声でそう言いながら、アロエは懐中電灯で通路の奥に見える非常口を示した。
光につられてダゲキも非常口を仰ぐ。
扉の上には、緑色の光を放つ小さな誘導灯がある。
この暗闇の中では目に刺さるほどの明るさだ。
扉の脇に、金属製の鎖を渡したパーテーションが寄せられていた。
巡回を始める時にアロエ自身が脇に避けたものだ。
アロエ「ヨノワールくん、そこの非常口から書斎に戻ろっか」
張り切ったヨノワールがパーテーションを持ち上げ、もう少し隅に寄せようとした。
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