215: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2017/06/16(金) 23:12:37.95 ID:xCyGumQ8O
なぜだか、身体の中で鼓動を出す場所が、ずきずきと鈍く疼いた。
痛みといえるほどの痛みではないが、妙に息苦しい。
怪我でも病気でもないのに。
ミュウツー『それなら、よかった』
ダゲキ(つかいかた は、あってる?)
ミュウツー『ちゃんと合っている』
ダゲキ(よかった)
胸に響く甘い不快さは、薄膜のような自己嫌悪を伴なっていた。
友人たちはこうして喜んでくれているというのに。
悪いことをしているわけでもないのに。
よかれと思って、しているつもりのことなのに。
ダゲキ(……これ、やっぱり みたことないなぁ)
ミュウツー『だったら、さっさと食べてみればいいだろうが』
ダゲキ(そうだね)
赤く瑞々しい断面のきのみを、ダゲキはようやく口に放り込んだ。
一、二度、彼はゆっくり噛み締める。
わずかに目の下を痙攣させたあと、満足げに口許だけで笑った。
ダゲキ(……おいしいよ)
ミュウツー『ほう』
ダゲキ(ちょっとからいけど、たべる?)
そう言いながら、彼は半分に折った残りをミュウツーに差し出した。
受け取って匂いを嗅ぐが、わかりやすい匂いはない。
ならば、と赤いきのみを口に押し込み、噛み砕く。
すると、思いがけない――ある意味で予想通りの――刺激が口の中に溢れた。
ミュウツー『……辛っ!!』
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