187: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2017/03/28(火) 00:59:15.46 ID:n9gHiMCwO
ミュウツー『最初にそうしようと思い口にしたときは、大した理由はなかった』
ミュウツー『だが今は違う』
ミュウツー『たとえ私がそうしたくなくても、しなければならないのだ』
ミュウツー『私の……』
ミュウツー『私のわがままなどよりも、優先するべきこと、優先しなければならないことがある』
ミュウツー『……いや違う、“優先したい”ことだ』
ミュウツー『思うに、その違いは小さいようで大きい』
ミュウツー『これは私の意志だ』
ミュウツー『今ならまだ間に合うかもしれないからだ』
ミュウツー『私は……』
はっと我に返ったように、シーツが大きく揺れた。
光源の具合で、やはりアロエの位置から中身は見えない。
周囲を見回し、身の丈二メートルの幽霊が急に慌てふためいた。
見れば、きのみを食べていたはずのポケモンたちも、呆気に取られている。
今の話は、そんな彼らにも聞こえていたのだろうか。
いずれにしても、驚いただろうことは想像に難くない。
アロエ「大丈夫?」
ミュウツー『……え、あ、ああ……だ、大丈夫だ』
アロエ「そうは見えないけど」
ミュウツー『そんなことは……おい何を見てる』
ヨノワールが慌てて首を横に振った。
同時に、ぶうん、と弦を弾いたような、低く空気の震える音が聞こえる。
どうやらその唸りが、ヨノワールの鳴き声であるようだ。
アロエ(あんな声なんだ)
アロエ(ヨノワールの声って、そういえば初めて聞たかも)
アロエ「キミが急に立ち上がるから、みんなびっくりしたんだってば」
ミュウツー『……そ、そうか、すまない』
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