185: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2017/03/28(火) 00:53:57.77 ID:n9gHiMCwO
ミュウツー『考えるのをやめる……か』
ミュウツー『それもいいかもしれないな』
ミュウツー『考えても、今日この瞬間まで結論を出せなかったのだ』
ミュウツー『むしろ、考えれば考えるほど、自分がどうしたいのか、わからなくなった』
アロエ(それは、やっぱり考えすぎてるのかもしれないね)
見ると、シーツの切れ目がゆっくりと向きを変えていた。
視線はアロエから逸れ、休憩を楽しむ友人たちに向けられているように見える。
彼らに秘密にしておきたいのは、つまりそういうことなのだろう。
ミュウツー『……いつか』
急に声が聞こえた。
アロエは反射的に、声の主を見る。
ミュウツー『いつか、そうしなければならないことは、最初からわかっている』
ミュウツー『いつまでも、このままでは駄目なんだ』
ミュウツー『そうしなければ、このままでは』
アロエ(それは、誰のため?)
痙攣するように、シーツが翻った。
中こそ見えないが、昏い切れ目の奥に、鋭い視線を感じる。
アロエは確信していた。
今、自分はシーツの中の視線と、正面から向き合っている。
ミュウツー『……誰……の?』
別の視線を感じて、アロエは自分のすぐ近くに目を向けた。
いつの間にか、ダゲキが食べる手を止め、こちらを見上げている。
大きな目で、まっすぐこちらを見ている。
感情の薄い冷やかな目に、アロエは少し不気味さを覚えた。
内緒話のことが気付かれているような気がしたのだ。
ミュウツー『誰の……』
アロエが口を開こうとした瞬間、がたん、と大きな音がした。
ヨノワールもまた、音の聞こえた方向を見ている。
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