184: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2017/03/28(火) 00:52:16.09 ID:n9gHiMCwO
響いてくる頭の中の声は、あくまで真剣だ。
ふざけて、わざと大袈裟に言っている気配はまるでない。
アロエ(そんなに、早く結論を出したい?)
ミュウツー『もちろんだ』
『声』に焦れた印象が混じり始めた。
内容は本人が語らない以上わからないが、とても結論を急いでいるようだ。
アロエ(時間をかけて、好きなだけ悩むのは……)
ミュウツー『そういうわけにはいかない』
アロエ(みたいだね)
アロエ(たしかに、あたしもキミに『よく考えろ』とは言ったからね)
アロエ(でもね、考えたところで、必ず結論が出る保証があるわけでもない)
アロエ(考えるのは、本当に、とても大切なことだけど)
アロエ(考えればいい、ってものでもないわけ)
ミュウツー『どこかで聞いたような話だ』
アロエ(へえ、そうなの)
ミュウツー『似たようなことを、以前にも言われたことがある』
この子は苦笑いしている、とアロエは直感した。
それも、少し無理をして笑っている。
アロエ(キミがどんな価値判断でその選択肢を考えたのか、あたしにはわからないけど)
アロエ(いくら考えても答えが出てこない、っていうなら)
アロエ(一旦、考えるのをやめてみる、ってのも手かもしれないね)
ミュウツー『……考えるのをやめる?』
ミュウツー『それで、結論は出せると思うか』
アロエは小さく肩を竦めてみせた。
きのみを齧る小柄なジュプトルの頭を慎重に撫でる。
ちらりとこちらを見上げたが、今度は怯えることもなく、おとなしくされるがままだった。
葉はゆらゆらと、風もないのに揺れているのが不思議だ。
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