180: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2017/03/28(火) 00:42:54.82 ID:n9gHiMCwO
アロエ(年の功ってやつかな)
アロエ(経験の多寡は、物事に対する予測の精度に直結するわけだからね)
ミュウツー『そういうものか』
アロエ(まあね)
アロエ(……内緒話がしたい?)
暗い裂け目が考え込むように下を向き、またアロエの方を向く。
妙に毅然とした動作だった。
腹を括ったような、あるいはなにかを決意するような。
アロエ(わかった、ちょっと待ってな)
ミュウツー『?』
すると、アロエは本をパタンと閉め、ジュプトルを見下ろした。
少し驚いた様子を見せるジュプトルに、アロエは微笑みかける。
アロエ「よしジュプトルちゃん、やっぱり休憩しよ」
ジュプトルは不思議そうに首をかしげた。
もっとも、特に不満があるということではないようだ。
さきほどの警戒も、さすがに影を潜めていた。
アロエ「喋りすぎて、喉からからになっちゃった」
アロエ「きのみとか飲み物とか、持ってくるから」
アロエ「読んでた本、机の上に置いててくれるかな」
不承不承という顔で、ジュプトルはもたもたと腰を上げた。
自分が読んでもらっていた本を抱え、あちこち着地点を探している。
そのままアロエの膝から飛び降り、音もさせずに着地した。
何歩か進み、机の横に立つ。
ふたたびアロエを見上げ、何か言いたそうにしている。
アロエ「そう、その上に置ける?」
ジュプトルは頷いて机を見上げ、躊躇なく跳ねた。
片方の前脚で本を掴み、残る前脚と二本の後ろ脚だけで、器用に机の壁面をよじのぼってみせる。
まるで軽業師か、あるいは物語に出てくる怪盗のようだ、とアロエは思う。
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