144: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/10/24(月) 23:39:32.50 ID:GKUQ56mXo
ジュプトル「おれ、どっちも わかるし」
ダゲキ「ぼくも、わかる」
ヨノワール「わ わたしも、わかります!」
どうも彼らの中では、共通の認識が持てているようだ。
ミュウツーは友人たちの横をすり抜け、先頭を歩き始めた。
背中では、彼らのおぼつかない会話が続いている。
ダゲキ「『もどらない』は、わるいこと かな」
ダゲキ「ぼくは、もどりたい の、とき も ある……けど」
ジュプトル「……わかんない」
ダゲキ「ジュプトルは、もどれたら、もどりたい って、おもう?」
ジュプトル「……うーん」
ダゲキ「ヨノワールは?」
ヨノワール「え、ええと、わたしは……」
ミュウツーは深呼吸をひとつして、ゆっくりと自分の身体を浮き上がらせた。
自分の皮膚や周囲の空気がぴりぴりと引き攣っているのがわかる。
ミュウツー『行くぞ』
ヨノワール「あ、はい」
ダゲキ「わっ」
ジュプトル「わあ! もー!」
背後からばらばらと声があがった。
友人たちの抗議には耳を貸さず、ぐんぐん高度を上げる。
その間も、小柄なふたりが驚く声や怖がる声は聞こえていた。
森の木々を見下ろせる高さに至って、ミュウツーはようやく動きを止めた。
ぐるりと身体を回転させると、何もない空間に、もがく友人たちが浮いている。
見えない力で身体の中心だけを空中に縫いつけられ、手足を揺らしている。
目をこらさなければわからない程度だが、彼らの周囲はうっすら青く光っていた。
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