142: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/10/24(月) 23:35:39.20 ID:GKUQ56mXo
イーブイはダゲキの返事に、少しずつ目を見開いた。
呻くような声を喉から出して、イーブイは耳をひくひく痙攣させる。
言われた意味を徐々に理解していく過程が目に見えるようだ。
イーブイ「あ……わ、わかった」
イーブイ「にーちゃん いうこと、ぼく わかった」
イーブイ「チュリネちゃんの、もう いわない」
ダゲキが、少し安堵した顔でゆっくり頷いた。
こっそり盗み見ると、ジュプトルも訳知り顔で首を掻き、地べたでくつろいでいる。
ふたりの結論に特に異議はない、という態度らしい。
少し視線をずらすと、今度はヨノワールと目が合った。
無言で『お前はどう思う』と問いかけてみる。
ヨノワールは何も言わずに肩を竦め、目を伏せた。
イーブイ「ぼく、ちゃんと ルスバンの、する」
ダゲキ「うん」
ダゲキは重々しく向きを変え、ゆっくり歩き始めた。
振り向きざま、こちらを一瞥していく。
早く出発しよう、と言いたいに違いない。
他に含むところもありそうな目ではある。
ミュウツーはその視線に、失笑しそうなほどの必死さを感じ取り、頷いた。
イーブイ「……にーちゃん」
ダゲキは歩みを止めたが、今度は振り向かなかった。
イーブイ「『もどれない』は、だめ? わるい?」
ダゲキ「……わからない」
ダゲキ「でも、もどれない は、こわいよ」
イーブイ「……そだね」
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