104: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/07/02(土) 22:59:11.24 ID:g+YmgrcZo
『進化』すればまた状況は変わるはずだ、とあの人間は言っていた。
よくわからないが、レンジャーが言うならきっとそうなのだろう。
もっとも、その時がいつになるのか、自分たちではわからない。
人間なら誰でも、当然のように知っていることなのかもしれない。
そう思うと、無性にやるせない。
ぺたぺたと寄ってきたジュプトルが、コマタナの顔を覗き込んだ。
ジュプトル「いたい とか、ないの?」
コマタナ「……?」
ダゲキ「だいじょうぶ みたい」
ジュプトル「ふうーん」
ダゲキ「……でも、ニンゲンのとこ、いこうか」
コマタナ「!?」
ダゲキ「……いや?」
瞬きしながら、コマタナは少し考えて首を横に振った。
それからひとしきり声を張り上げ、ふたりに何かを訴える。
ダゲキ「……わかんないよ」
ジュプトル「でも、いやじゃない みたい」
ダゲキ「じゃあ……なでるの してもらお」
コマタナ「お゙! お゙お!」
コマタナはおおげさに喜び、手を振り回して跳ねた。
そんなに撫でてもらうことが嬉しいのだろうか。
ふと、ダゲキは自分で提案しておいて、そんなことを思った。
自分はどうだろうか。
嬉しいのだろうか。
あのとき、実は嬉しかったのだろうか。
あれは、自分にとっても『嬉しいこと』だったのだろうか。
だからコマタナにもああ言ったのだろうか。
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