ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第三幕
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103: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/07/02(土) 22:56:18.91 ID:g+YmgrcZo

自分も降りるべく、慎重にそろりそろりと幹の方へ身体をずらしていく。

ジュプトルがしたように躊躇なく身を躍らせる勇気は、もうなかった。


地面に降りたジュプトルがどこかに向けて、ひときわ大きな声で鳴いた。

ダゲキやコマタナにではなく、別の誰かに向かってだ。


がさがさごそごそ、といくつもの小さな足音が響く。

間もなく、くさむらからたくさんのクルミルが這い出してきた。

一歩引いた場所からついて行く、引率者じみたクルマユもいる。

秋口の落葉のような色をした、渋い色合いのクルマユだ。

クルミルたちは、口々になにごとか鳴きながら若葉を目指して寄ってくる。


コマタナ「お゙、お゙……!?」


コマタナは、急に集まってきたクルミルたちに驚いているようだ。

懸命に手を振り回しているが、クルミルたちはコマタナを気にも留めていない。

唯一、後方のクルマユがコマタナに向かって鳴いた。

次いで樹上を仰ぎ、いまだ降りられずにいるダゲキに向けて鳴く。


上から見ていると、コマタナの慌てぶりがよく見えた。


ダゲキ「こわくないよ」


やっとのことで地表に降り立ったダゲキは、コマタナに声をかけた。

するとコマタナは、憐れな声で呻きながら足元に駆け寄ってきた。

助けを求めるような目でダゲキを見上げている。

驚いたのか怖かったのか、ひどい濁声で何かを必死に訴えた。


ジュプトルはクルミルたちが葉を齧る中に佇み、盛大に溜め息を漏らした。


ジュプトル「なんだよお」

ダゲキ「びっくり したんだよ」

コマタナ「お、ううう……」

ジュプトル「こどもだなあ」

ジュプトル「でも、けが なおったのに、へんな こえだ」

ダゲキ「うーん……」




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