10: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/02/24(水) 23:47:14.77 ID:CXQiijtko
くるくると目を動かし、ヨノワールは瞬きを繰り返す。
しばらくして首を力強く横に振り、ミュウツーをやや不安げに見た。
ヨノワール「……それも、ある……かもしれない、ですが……」
ミュウツー『では、お前は何が理由だと思う』
ヨノワール「たぶん……あの……」
ふたたび、ヨノワールは口籠もってしまった。
あまりその先を言いたくないように見える。
ヨノワール「あの……」
ミュウツー『いいから言え』
ヨノワール「あなたが きたから……だと おもいます」
ミュウツー『……私?』
ミュウツーは思わず、樹に預けていた身を起こした。
ヨノワールはミュウツーを、腹が立つほどまっすぐ見ている。
とても冗談を言っているようには見えない。
ざあっ、と騒々しい風が頭上を吹き抜けた。
ばたばたとマントのはためく音がして、風に目を細める。
ミュウツーはその間も目を逸らすことなくヨノワールを見つめた。
ヨノワールの方も、視線を外さない。
ミュウツー『それは……どういう意味だ?』
吹き抜ける音が収まった頃、ヨノワールは低く聞き取りにくい声で続けた。
鐘の中で反響したような、いつもの妙な声があたりに響いている。
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