282: ◆c6GooQ9piw[saga]
2016/06/24(金) 03:19:42.48 ID:3STh6K47O
相変わらず、いいところを突いてくる。
しかしこの辺りの問答についても、さやかは昨日自分の中で済ませていた。
さやか「そんなことないよ。このことがなければ、あたしは間違いなく恭介に告白していた。これは本当だよ」
さやかの恭介への想いは、先程口にした通りだ。
ここを否定することはできない。
それはもはや、さやかへの冒涜にすらなり得てしまう。
実際さやかは、魔法少女のことがなければ恭介に告白していただろう……というと、多少語弊はあるが。
昨日までの、さやかの細かな心情の変化をここで説明するのは難しいし、その必要もない。
さやかとしても嘘を吐いているわけではないし、今の自分の正直な気持ちを語れているという自覚もある。
仁美「…………」
仁美はしばらく考え込んでいたが、やがて、観念したように大きく息を吐いた。
仁美「さやかさんの言い分はわかりました。全て信じます。話せない事情があることも、この際問いませんわ」
さやか「……ありがとう、仁美」
本当は、もっと問い詰めたいことが山ほどあるはずだ。
なのに、いくつもの言葉を飲み込んで、それでも信じてもらえたことに、さやかは感謝していた。
仁美「ですが、最後にこれだけは言わせて下さい」
さやか「……何?」
仁美「付き合えないことが、告白しない理由になりますの?」
さやか「……」
ここに関しては、突っ込まれるとは思っていた。
最後まで、さやかが迷った部分でもあった。
さやか「……ならないよ。でも、告白したところで、あたしは恭介とは付き合えないんだ。だったら……」
仁美「いいではありませんの。今すぐに付き合えなくても、想いを伝えておくだけでも意味はあると、私は思いますわ」
さやか「いや、でもそうしたら仁美が……」
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