261: ◆c6GooQ9piw[saga]
2016/05/03(火) 22:07:17.12 ID:M5GsA7PKO
杏子「その男に関してだけじゃない。お前が今まで魔女や使い魔と戦ったことで、救えた命は確実にあるんじゃないのか? それらが全て、お前自身の自己満足に過ぎなかったとでも言うつもりか?」
さやか「……ええ。あたしは正義のために戦っていたわけじゃなかった。恭介のために願いを使ったように見えて、実際は自分のためでしかなかったようにね」
杏子「……」
やはり、そこを基準に考えてしまっている。
願いの意味をずらさなければ、さやかを説得することはできない。
そのための言葉を、杏子は持ち合わせていた。
杏子「……違うね。お前は勘違いをしている。まだ思い出せねーのか?」
さやか「えっ……?」
杏子「……」ギリッ
杏子は、歯を食い縛った。
自分が、さやかにどれだけ過酷な道を歩ませようとしているのかはわかっている。
だが、もう止まれない。
杏子(あぁそうさ、これはあたしのわがままでしかない。一旦楽な道を示しておいて、後から別の険しい道を勧めるだなんて、自分勝手もいいところだ。あげく、自分はその道を歩まないってんだからな)
しかし。
それでも……
杏子(だが、こいつの始まりは、正義の魔法少女を目指すことだった。魔法少女のあたしを見て、それでも怯まずに言い返してきやがったんだ。そんなこいつが間違っていたなんてこと、あってたまるかよ!)
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