262: ◆c6GooQ9piw[saga]
2016/05/03(火) 22:09:25.14 ID:M5GsA7PKO
感情論だ。
さやかに『こうあってほしい』という願望が先にきている以上、論理的ではない。
杏子もそれはわかっていた。
その上で、吠える。
杏子「お前が魔法少女になったのは、その男の腕を治すためじゃねえ。ましてや、そいつの恩人になるためなんかじゃねえ!」
杏子「正義の魔法少女になって、あたしみたいな悪者をブッ飛ばすために、お前は魔法少女になったんだよ!!」
さやか「…………」
無茶苦茶だ。
理屈も何もあったものじゃない。
だが、その飾らない杏子の言葉は、間違いなく本心からきたものだった。
だからこそ、さやかの心を動かした。
さやか「正義の魔法少女、か……」
気づけば、さやかの目には光が戻っていた。
それは、これから先ふたりの歩む道が、二度と交わらないであろうことを意味していた。
杏子「……」
手放しには喜べない。
しかし、これが杏子の選択の結果だ。
今更後戻りはできない。
さやかは、先程までとは別人のような表情をしていた。
さやか「ありがとう。目が覚めたよ」
杏子「……そうかよ、ならとっとと失せな」
さやか「うん……さよなら」
仲間にならない以上、もうここで話すことはない。
さやかもわかっていたのだろう。
そのまま、何も言わずに教会を後にした。
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