252: ◆c6GooQ9piw[saga]
2016/04/23(土) 18:37:45.63 ID:GL279vN+O
確かに、さやかがこのまま正義を貫き続ければ、近いうちに死ぬ可能性は高い。
杏子のように自分のためだけに生きるようになれば、それは回避されるだろう。
だが、そもそもさやかの精神は、そんな生き方を受け入れられないのだ。
杏子「……っ」
杏子は、ここにきてようやく気付いた。
杏子(……あたしとさやかは、違うんだ)
それは、奇しくもつい先程さやかが杏子に思ったことでもあった。
同じ生き方をすることはできない。
やはり、杏子が初めに思ったことは正しかった。
さやかは、魔法少女になるべき人間ではなかったのだ。
杏子「……」
さやか「……どうかした?」
急に黙り込んだ杏子の様子を不審に思ったのか、さやかが問いかけてきたが、杏子は言葉を発することもできなかった。
さやかは特に気にもせず、ふと手に持っているリンゴを眺め、口を開いた。
さやか「……そういえば、あんたそんな境遇なのに、このリンゴはどうしたの?」
杏子「!」
責めるような口調ではない。
単に、疑問に思ったことをそのまま口に出しているような表情だった。
杏子「っ、それは……」
杏子が言い淀む。
しかし、そもそもさやかは答えを気にしていなかった。
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