251: ◆c6GooQ9piw[saga]
2016/04/23(土) 18:17:45.59 ID:GL279vN+O
さやか「……うん、ありがとう」
素直に礼を言われ、戸惑う。
杏子は、自分の表情が戻ったことを確認し、改めてさやかの方を振り向いた。
杏子「やめろよ、別に、礼を言われるようなことじゃ……」
言いながら、杏子はさやかの顔を見返して……
杏子(なっ……!?)
──気づいてしまった。
さやか「……」
その目には、光がなかった。
かつて、正義のために戦っていた頃は眩しいほどに輝いていたさやかの目が、今は見る影もなかった。
昨日魔女と戦っていたときでさえ、今よりは光が残っていた。
杏子(なんだ、どうしたって言うんだ……?)
いつからそうなってしまったのか。
決まっている。
杏子の仲間になり、同じ生き方をすると宣言したときからだ。
さやか「……」
杏子「……ッ」
杏子はその目に、どうしようもないほどの越えられない壁を感じた。
杏子(……そんなにか? 魔法少女なんかになっておきながら、他人を気にせず自分のためだけに生きることが、お前にとってはそんなにも耐え難いことなのか……!?)
さやかは、自分の変化に気づいているのだろうか。
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