250: ◆c6GooQ9piw[saga]
2016/04/23(土) 18:06:00.39 ID:GL279vN+O
杏子「……」
さやか「あたしは結局、自分のために恭介の腕を治したんだ。他人のために魔法を使ったあんたとは、根本的に違ったのよ」
さやかは、自嘲気味な笑顔を浮かべていた。
……そういうことか。
杏子は内心ほっとした。
杏子「いいじゃねーか、それで。そっちの方が正しかったんだよ。これからは、そうやって生きていけばいい」
さやか「……」
杏子の言葉に、さやかはわずかな逡巡を見せ、やがて口を開いた。
さやか「……そうね。あんたと一緒にそうして生きていくってのも、悪くないかもね」
杏子「……!」
さやかの言葉を聞き、杏子は歓喜に打ち震えた。
杏子(やった……!)
やっと、わかってもらえた。
同じ境遇の仲間ができる。
その事実は、杏子にとって非常に喜ばしいものだった。
さやかの手前、なんとか平静を装う。
顔を背けて表情を隠し、感情を抑えて言葉を返す。
杏子「あぁ、そうしろよ。悪いようにはしないからさ」
460Res/310.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20