237: ◆c6GooQ9piw[saga]
2016/04/01(金) 20:13:03.58 ID:yJ7QJF/qO
『おい、聞こえるか?』
さやか「!」
不意に、テレパシーで呼び掛けられた。
この声は……
杏子『ちょっと話がある。出てこいよ』
さやか「……」
なんであたしの家を知っているのかとか、学校はどうしたのかとか……いろいろと思うところはあったが、今のさやかに噛み付く気力はなかった。
さやか『……何の用?』
杏子『そろそろ、正義の魔法少女だなんて言っていたことを後悔してるんじゃないかと思ってな』
さやか『……』
一気に出ていく気が失せた。
さやかは返事をするのも面倒になり、布団をかけ直そうとする。
反応がないことにあわてたのか、杏子が再度テレパシーで呼び掛けてきた。
杏子『おい無視すんなよ、悪かったって。こんな時間に家にいるってことは、今日は学校には行かないんだろ? 魔法少女が体調不良ってこともないだろうし、暇なら付き合えよ』
さやか『……あたしに文句があるんなら、別の日にしてくれない? そんな気分じゃないの』
杏子『喧嘩を売りに来たわけじゃねーよ。言ったろ、話があるって』
……本当だろうか。
しかし、暇を持て余していたのも事実だ。
杏子『いいから出てこいよ。危害を加える気はないからさ』
さやか『……ちょっと待ってて』
しばらく迷ったが、さやかは杏子に付き合うことにした。
親は夕方まで帰ってこないし、少しくらいなら大丈夫だろう。
着替えてから外に出ると、私服姿の杏子が立っていた。
そういえば、魔法少女以外の姿を見るのは初めてだ。
杏子「ついてこい」
そう言って、杏子は歩き出した。
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