55:2/13(お題:ケサランパサラン) ◆FLVUV.9phY[saga]
2016/02/21(日) 15:16:56.95 ID:MYDjQQS+o
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーんっ!」
呼んでもいないのに突然現れた小さなそいつはフヨフヨと元気よく宙を漂う。
俺はこの現実を理解できなかった。
「はっ? いや呼んでないし、ていうかなんだよお前? いやついに俺は頭がおかしくなったか?」
思わず頭を抱えて独り言をつぶやく始末。
だというのに、
「へぇぇ、いい度胸しているじゃない! 見えてるし聞こえてるんでしょ! この童貞っ!」
「げ、幻覚じゃないのか? それじゃあ……、夢か?」
目の前に浮かんでいる半裸の生き物を右手で掴み、左手で思い切り頬を抓ってみる。
痛いな。ということは夢というわけでもないらしい。
信じられないぞ、おい。
「放しなさいよ! いきなり人のことを無遠慮に握るなんて頭おかしーんじゃないの!?」
「やっぱりそうだよな、けど感触もあるし、やっぱり俺の頭がおかしくなったとしか思えない……」
痛みもある、手の中には温もりさえ伝わってくる。
けど、存在そのものがあまりにも現実的じゃないのだ。
「違うわよ! あんたの頭がおかしくなったんじゃなくて、あたしが現実にいるの! 信じなさいよぉ!」
「もしかして、さっきから俺に話しかけてたの?」
「ほかにどんな選択肢があるっていうのよ!?」
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