文才ないけど小説かく 7
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428:薔薇の見える丘(お題:最強の女騎士まさかの敗北)2/6[saga]
2017/05/01(月) 00:12:17.61 ID:XkZMTs0r0
かつて、帝国が誇る最強の騎士、剣鬼としてその名を轟かせた一人の女騎士がいた。
彼女の名は「ローザ」
彼女は女性でありながら、14歳の若さで帝国騎士団に志願し、めきめきと腕を上げた。
17歳の時、初めて戦場に出ると素早く華麗な剣さばきで相手国の騎士団長の首を取った。
こうして、彼女の名は帝国のみならず他国でも知れ渡ることになった。
その後も精力的に戦に出ては戦果を上げた。
彼女自身に生まれ持った剣術の才は無い。
ただ、人一倍負けず嫌いで辛抱強い性格でここまで上り詰めた。彼女はほかの誰よりも努力家だった。
毎朝4時には起床し、昼間は剣術の鍛錬、図書館で深夜まで本を読み漁った。
その生活を30年以上続けてきたが、自身はもう若くはない。
彼女は最近忍び寄る自身の老いをひしひしと感じていた。
昔の自分と現在の訓練生の姿を重ねると、近頃の若者は訓練は平気でサボり、?責すれば自分を顧みることもなくローザの悪口を言い、とにかく挨拶の声が小さかったりと、なんとも情けない。
彼女は後進に何度も道を譲ろうと、自身の進退について考えたものだったが、どうにも彼女の次を担う者は現れなかった。
今年もまた駄目かと思っていた。
通常、騎士団の志願は冬に締め切り、春に試験結果が発表され、晴れて騎士団への入団を許される。
ある雪の日であった。
騎士団に入門したいという少女が王宮に訪れた。
その現場にたまたまローザも居合わせた。
門番が苛つきながら少女をいったいったと追い払っていた。
ローザはその一部始終を見ていた。
少女は門番に何度も追い出されては、また戻ってくる。
風の音で会話はよく聞こえなかったが、途切れ途切れに会話が聞こえてくる。
「どうか、どうかお願いします!」
「いや、だめだだめだ!」
「どうしても騎士になりたいのです!!」
そのまま通り過ぎればよいものを、ローザは様子を近くで見ようと近寄った。
「待て!!」
ローザがつかつかと門番と少女に近寄る。
自分でもなぜ声をかけたのか分からなかった。
ローザは自身の行動に驚いた。
少女は地面にへたり込み、ローザの顔をじぃと見ていた。
ローザは中腰になり、少女の顔を見た。



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