文才ないけど小説かく 7
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202:ななしのラムネ様(お題:ななし・ラムネ) 6/9[saga]
2016/07/01(金) 00:11:43.13 ID:Uf2E1B1ho

 「俺」は年頃の少年であった。ならばこそ、色恋沙汰に関心を持っていたのも道理というものだ。
 「そうなんだ」なんて興味のないふりをしながら、内心ではすぐにでも試してみたくてしかたなかった。というのも、
そこに書きたい名前のアテがあったからこそ、なのだが。
 善は急げを体現するがごとく、その翌日にはすぐさま実行に至った。彼女にはいつものように一緒に帰ろうと誘われ
たが、用事があるからと断りを入れて俺は放課後になるや否やすぐさま教室を飛び出した。行きつけの駄菓子屋でラム
ネを買い、急いでその半分を飲み干し、マジック片手に神社へと向かった。
 うら寂れた神社に人気はなく、むしろ最近誰かが足を踏み入れた様子もなかった。これならラムネ瓶が心無い誰かに
イタズラされることもないだろうと安堵する。
 神の存在なんて信じたこともなかったが、その瞬間だけは、前日に知ったばかりの胡散臭い神様に祈りを捧げた。
 興奮冷めやらぬまま神社を後にし、翌日。休日の朝一番はまだ気温も上がらず涼しさを感じさせた。そんな中息を切
らせながら神社へと急ぐ俺。
 はやる鼓動は、全力疾走をしたせいだけでは、もちろんなくて。
 目的地へとたどり着き、賽銭箱の裏をおそるおそるのぞき込んだ俺は。
 果たして、ななしとなったラムネ瓶を見つけた。


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